『けものフレンズ』色々情報・考察まとめ

けものフレンズの設定・IFの仮定について考察・情報提供するよ。【リンクフリー】

【Case1】セルリアンとフレンズは共生できるか?(けもフレ3シーズン2までの情報)

読書のススメ

私の話に「長すぎるよ!」と思うことが多々あると思う。これは「誤解がないように」細かくお話した結果なので、急いでいる方や活字アレルギーの方は適当に読み流してもらってもかまわない。
あと、この考察のリンクを貼った人の中に、間違った解釈をしてしまったひとがいるかもしれないので、その人を責めないように。
疑問・反論はコメント頂ければ解説できるかと思いますので、リンクを踏んできた方はご協力よろしくなのです。

はじめに

まず私が出した結論から言わせてもらうと、「すべての」セルリアンとフレンズが共生することは不可能に近い。
これから説明する根拠を見てもらえば、歩み寄るだけで解決するような問題ではないことが分かっていただけると思う。(不備・反論があれば素直にコメント可です。)

セルリアンが解決すべきハードル

まず、フレンズ側にそれほど大きなハードルはない。「襲ってくるから」退治しているだけなので、セルリアンに対して恐怖はあれど、憎悪は抱いていないからだ。*1
一方で、セルリアンには以下のようなハードルがある。

①セルリアンの知性は低くはないが、理解力があるのか疑問である
②セルリアンには感情がない
③セルリアンの目的は『輝きを奪い、再現すること』である
④セルリアンの主食は『輝き』『セルリウム』『(ついでにサンドスター・ロウ)』である*2
⑤セルリアンはフレンズよりも絶対数が多く、セルリウムやサンドスター・ロウがあれば無尽蔵に生まれる

それぞれの抱える「問題」と「解決方法」

①セルリアンの知性は低くはないが、理解力があるのか疑問である

あなたはペットを飼ったことがあるだろうか?もしくは、Youtubeで野生動物を飼いならす人の動画を見たことは?
多くの動物には、餌をくれる相手を理解して*3「襲わない」という選択をする知性がある。もしセルリアンに必要な餌を与えることができるのなら、セルリアンを納得させて共生することができるかもしれない。
しかしここで2つの問題がある。一方は④に任せるとして、もう一つは「セルリアンの知性」だ。セルリアンの知能が植物や菌類レベルだとすれば、餌が十分にあったとしてもフレンズに襲い掛かるだろう。
劇中の描写からすると、「どうしようもない時は諦める」「空気を読む」「強い相手からは逃げる」「フレンズが見つかるまでその場に居座る」といった知性的な行動がみられるのだが、
その一方で「戦略的撤退という文字がない」「TPOをわきまえず襲い掛かる」「仲間との連携ができない」といった低レベルな行動も見受けられるのだ。ちょっとどう捉えていいかわかりませんね…
それでも、解決法はないわけではない。一部のイクラスなセルリアンには論理的な思考能力があるのである。そして、それらのセルリアンは「セルリアンを指揮する」能力が備わっていることが多い。彼女ら(主に女性型だ)に任せれば問題はないかもしれない。

②セルリアンには感情がない

①より、ハイクラスなセルリアンがいれば知性の問題は解決できることが分かった。だが、そこで考慮していなかったことがある。それは、『感情』だ。
セーバルのような心を持ったセルリアンは「サーバルの『特別』な輝き」を吸収したからこそ生まれたのであって、女王やルーラーセルのような純粋なセルリアンは「フレンズはトモダチだから襲わないよ」などと言い出すはずはないのだ。この「」がいわゆる『感情』や『理性(共感)』である。
ほとんどの動物には心がある(かもしれない)ということが研究によって分かってきたが、この心とは「他者の気持ちが分かるから我慢する(共感)」「他の生物だけど友達だから襲わない(親愛)」「あいつだけずるい(不公平感)」といった『感情』によって生み出されている。*4
しかし普通のセルリアンにそんなものはない・・・ただ奪う必要があるから奪うだけなのだ。これは人工知能にも言えることである。例え「怒っている」ように見えたとしても、それはただ「反応を学習(ディープラーニング)」しているだけで、けもフレ3で言われるように彼女らの言葉は「ただの風の音」なのだ。
まあ、それを突き詰めて感情を手に入れた*5存在が人間とも言えるが・・・彼女らは単に相手を効率よく煽る方法として感情があるように振舞っているに過ぎない。
故に、これを解決する方法は二つ。「心」を持ってもらうか、相手の納得する取引を持ち掛けることである。*6

③セルリアンの目的は『輝きを奪い、再現すること』である

②により、現実的な方法としては「取引」により協定を結ぶことがあげられた。でも、これも問題があるのだ。
セルリアンの目的は「輝きを奪って再現すること」である。決して「種の保存」や「自己や他者の幸せ」ではない。そして当然ながら、輝きを奪われればフレンズはその姿を保てなくなる。最初から取引は決裂しているようなものである。つまり、フレンズとセルリアンは本質的に相容れることがない存在なのだ。
なので、
女王の言う『すべての 輝きは やがて 消える。  失い どれほど 焦がれようと 戻ることはない  しかし 我々 セルリアンは 保存し 再現する  永遠に  また 会いたい 会える 再現 偽りでも それでも...』や、
ルーラーセルの言う『ワタシハ、オマエ オマエハ、ワタシ、ワレワレ ホンタイ、ゼンタイ、ナカマ、トモダチ  スベテ、ワカレ、イッショ、ナカマ ナカマ、ナカマ、ナカマ  キエサリシスベテノユメヲミテ ウタカタヲダイチニキザミコム』、『ジョオウ、マツ スベテハ、ジョオウノタメニ』といった発言は、
フレンズがいくら「それはおかしい」と言ったところで通じるわけがないのである・・・。だが、手がないわけではない。今まで挙げてきたセルリアン達だが、一つ共通点がある。それは、「目的がコピー元によって変化している」ことである。普通のセルリアンの目的は上記のように「輝きを奪って再現すること」だが…
女王はカコの「絶滅動物を復元したい」という思いを、
ルーラーセルは「水鏡の性質」と「女王との関係」(そして「トモダチ」という発言からして、多分セーバルの性質)を、
セーバルはサーバルの「フレンズもしくは動物としての」を
コピーしているのだ。
そう。問題は②と同じ二つの解決方法に収束する。「をコピーさせる」か、「フレンズとセルリアンの利益を両立させる何か」の提示である。

④セルリアンの主食は『輝き』『セルリウム』『(ついでにサンドスター・ロウ)』である

これは③と似ている。セルリアンは本能的に『輝き』『セルリウム』『サンドスター・ロウ』を必要としている。だからこそ、その一つである『輝き』を持つフレンズにとって天敵ともいえる存在なのだ。
なので、何らかの方法でそれらを必要な量だけセルリアンに供給しなければならない。だが、残り二つはともかくとして「輝き」の安定供給は難しいのではないか?なぜなら、⑤のような理由があるからだ。

⑤セルリアンはフレンズよりも絶対数が多く、セルリウムやサンドスター・ロウがあれば無尽蔵に生まれる

そう。人類を食糧難に陥れ、いつまでも平和になれない大理由のひとつ、「人口問題」だ。
輝きは人々やフレンズの幸せ、愛着などによって生み出されるのだが、仮にその輝きを「養殖」もしくは「譲渡」したとして、セルリアンの需要を満たすことが可能といえるだろうか?私はそうとは思えない。(可能なら全部解決なので、カコ博士にはもうひと頑張りしてモラワナクテハ)
ここで誰かが思ったかもしれない。「セルリウムを尽きさせればいいのではないか?」 それはナンセンスだ。なぜなら、サンドスターはセルリウムが原料*7だからである。これが尽きた時点で奇跡の時間は終わり、セルリアンとフレンズは喧嘩したまま仲良死である。*8
しかし、これも④の仮定の上での話。もしセルリアンが「輝き」を必要としないか、少量で足りるとしたら・・・? ③で出た結論が役に立つだろう。「心で助け合ってもらう」か「契約で協力するか」が現実的になってくる。願わくば、そうであってほしい物である。

振り返り

以上の点から、私は『「すべての」セルリアンとフレンズが共生することは不可能に近い』と述べた。フレンズとセルリアンの間には満たさなくてはならない条件が多すぎる(主にセルリアン側が)のだ。しかし、忘れないでほしいのは「すべての」や「不可能に近い」という言葉だ。
利害が一致するか、心を持つのであればセーバルのようにトモダチになれる可能性はあるし、⑤の食糧供給の問題が解決するのであれば絶対に不可能とはいいきれなくなる。
こうして私の出した結論だったが、一番に伝えたかったのは『可能か不可能か』ではなく、『セルリアンとフレンズは本質的に相容れない』ことである。「けものフレンズの提示するテーマは何か」と考えると、この問題は解決されないまま続いていくほうが良いこともあり得る。『けものフレンズ』は人類の理想社会に対するアンチテーゼ*9なのか?それとも文字通り理想郷なのか? それとも、二兎を得るのか・・・
それはともかくとして、仲良くなれる可能性があるのならそれは良い事である。

(蛇足)私は「KFP監督を信じろ派」なので、すごく今後に期待してしまっている。シーズン1は素晴らしかった・・・。

*1:個人的にも、友達や家族を動物に戻されて憤怒に染まるフレンズは見たいものではない。

*2:・・・という予想。少なくとも、誕生にセルリウムは必須である。

*3:それまであなたが生きていればだが

*4:あくまで私見だが、これは本題ではないのでとりあえずそういうモノとして欲しい

*5:ある意味、哲学的ゾンビの域に達した

*6:「感情論」は通じないが、「論理」であれば通じるのだ。

*7:厳密には、セルリアンの死骸である

*8:そもそも、サンドスターはけものプラズムとして発散されているようなので、セルリウムに戻って循環しているという可能性もある

*9:反論